生成AIとのクリエイティブ制作の幅が無限に広がる!?世界初のデザインAI「Lovart」を使ってみた
生成AIで画像や動画を作るたび、ツールと会話が色んなところに散りますよね。Lovartは、その制作を一つのキャンバスにつなぎます。スポーツドリンク、VTuber、Pinterest連携等、Lovartを使ってクリエイティブ制作を実際に試しました!

生成AIでクリエイティブを作ると、できることは増えるのに、制作の流れはだんだんバラバラになっていきます。
LLMと相談して企画を考えたり、画像生成AIでビジュアルを作ったり。
別のサービスへ画像を移して動画にして、途中で気に入った案が出ても、縦に伸びた会話をさかのぼって探す。
ツールを移るたび、商品の設定やデザインの方向をもう一度説明する。
正直面倒くさいんですよね……。
一方で、Gensparkのように複数の仕事をまとめて扱えるAIツールも便利です。
ただ、僕がクリエイティブ制作に使った範囲では、参考画像、途中の案、完成した画像や動画の関係を見ながら育てていく操作に、もう一歩ほしさを感じていました。正直、CodexやClaudeを普段使いしている身としては、こっちのほうがまだマシです。
そこへ出てきたのが、AIデザインツールのLovartです。公式表記は「Lovart」。
Lovartは公式サイトで「世界初のAIデザインエージェント」と紹介されています。
この記事では、公式表記に合わせて「Lovart」と書きます。
実際に触ってみると、これはかなり本気(マジ)のオールインワンツールでした。
公式ドキュメントによると、Lovartは商品写真、SNS投稿、広告素材、ブランド動画などを一つのキャンバスで生成、編集、整理できます。
画像や動画を作る複数のAIモデルを用途に応じて使い分け、PNGやMP4に加えて、複数素材をPSDとして書き出す機能も備えています。
これまで縦に流れていたAIとの会話が、クリエイティブを広げるキャンバスへ。
異なるアイデア同士を近くに置く。コンテキストが喧嘩せず、気に入った方向を残す。
参考にした資料と、そこから生まれた制作物を一緒に見る。
頭の中で考えている関係が、そのまま画面に広がる感覚です。
こういうのが欲しかったんよ……!
今回はお試しということで、Lovartで三つの制作を試してみました。
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スポーツドリンクの商品企画から、ラベルと広告動画を作る
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公開スキルから、VTuberのキャラクター三面図を作る
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Pinterestの参考画像から、DATA WORLDのポスターを作る
うまくいった出力も、盛大に崩れた出力も、そのまま紹介します!
新商品を作ってみる
最初に試したのは、架空のスポーツドリンクです。
「水分補給、タンパク質、ビタミンを一度に取れて、トレーニング愛好者が運動前に買いたくなる商品を考えたい」。まずエージェントモードへ、そんな相談を投げました。
最近ジムに行ってて、こんなんあれば便利なのになーって思いついたものです(笑)

Lovartのエージェントと対話しながら、ブランド名、対象にする人、購入する場面、味、容器など、先に決めたい項目を整理しました。
僕はブランド名を「ReFUEL」、合言葉を「日々の運動をエクストリームに」、対象を20代から30代のフィットネス愛好者と伝えます。適当です(笑)
すると、方向の違う3案がキャンバスに並びました。

青い稲妻を使った案、白とオレンジでまとめた案、黒と蛍光グリーンの案。
企画段階の仮案とはいえ、商品名を置いただけのモックアップより一歩深く、誰にどんな印象を与える商品なのかまで見えます。
真ん中もいい感じなんですけど、エナドリっぽい雰囲気抜群の緑の蛍光色の方をピックアップ。
ボトルとラベルを深掘りしました。
前面と背面の見せ方に加え、グリーンアップル、レモンライム、ベリーブーストという3つの味まで展開されます。

ここまで約20分くらい。
もちろん、成分設計、法令表示、容器の製造条件、商標調査、印刷用データの調整は別途必要です。
そもそもモックなので、これで十分だと思います。
それでも、頭の中の「こんな商品があったらいいな」が、相談できる商品イメージへ変わる速さはかなりのものです。
企画の初期段階で、具体的なイメージをもって提案ができそうですよね。
絵コンテとSeedance 2.5で広告動画を作ってみる
良い感じのデザインと商品イメージができたので、これを広告する場合の動画も作ってみましょう。
さまざまなスポーツシーンでこの商品が活躍する、メッセージ性の強い15秒動画の絵コンテを作らせました。

これ、普通にコンテ案として上出来じゃないですか。
商品の役割を「水分」「タンパク質」「ビタミン」に分け、競技の場面と結び付けています。
撮影前の提案資料として見せても、映像の方向性を共有できそうです。普通に撮ってみたい(笑)
今回は、画面上で選択できたSeedance 2.5でやってみます。
ところが、この絵コンテを参考に動画を生成すると、結果はあまり良くありませんでした。
画面を分割した構図や大きな英字、日本語の動く文字まで映像側へ持ち込もうとして、文字と構図が崩れます。

今回選択した画面上の動画モデルはSeedance 2.5です。
この試行を見る限り、日本語を含むタイポグラフィの再現はまだ苦手そうでした。
そもそも絵コンテが凝り過ぎて、絵コンテに含まれるコンテキストも非常に複雑だったかもしれません(笑)
そこで絵コンテを外し、元の商品画像と、作りたい映像の方向だけを文章で渡しました。
すると、商品の寄り、競技の広い画、人物の動きが一連の流れとしてつながる動画が出てきました。

日本語音声にも、僕が聞いた範囲では気になるアクセントがありませんでした。
商品の細部を見せるタイトショットと、競技の状況を見せるワイドショットが続き、カットが変わっても短い物語として見られます。
海外のコーポレートっぽいグレーディング、シネマカメラで撮ったような淡いボケ感など、1枚だけコンテキストを入れてみたんですが、これもいい感じ。インスタグラムで見るよこういうの(笑)
どの画角を選び、どの順番で見せるか。ストーリーテリングと、それを実現させるための空間演出を組み立てるというのは、ビデオグラファー/シネマトグラファーが考える大事な仕事です。
Seedanceは速いし、クオリティも高いので、一つのキャンバスに並べながら何回か生成し、人が良いカットを選び、文字は編集工程で正確に載せる。この進め方なら、かなり使えそうです。
ということで、商品企画からクリエイティブ制作は大満足!
今後、絵コンテとショットリストの生成だけでも使ってみよう。
公開スキルから、VTuberの三面図が一発で出た
Lovartには、特定の制作手順をまとめた「スキル」が公開されています。ブランド、広告、SNS、EC、動画など目的別に選び、短い要望と参考素材を渡して使う仕組みです。

今回はキャラクターシートのスキルを使ってみます。

そういえば、妻がVtuberとかやってみたいなーと言っていたことを思い出し、好きそうなキャラクターを生成してみようと思います。
「さくらピンク、ツインテール、ゲーム実況VTuber、元気な妹系、和風衣装」と依頼しました。
なんと一発で、ドストライクな正面、側面、背面の三面図が出てきました。

いや、すごい。
正面から背面まで、髪形、衣装、色の方向がそろっています。最初の出力にはコントローラーを模した装飾がありましたが、消しゴムツールで不要な部分を減らすと、すっきりした三面図になりました。

今回完成したのはキャラクターの三面図です。
動くモデルにするには、髪、目、口、服などを個別の素材へ分け、リギングする工程が続きます。
Lovartの公式ドキュメントには、キャンバス上の複数オブジェクトをまとめてPSDへ書き出せるとあります。
ただ、今回作った三面図が、髪や目などのリギング用レイヤーに分かれて書き出されるかは試していません。Inochi2DはPSDの読み込みに対応していますが、動くモデルにするには素材分けとリギングが必要です。
どこまで工程を短縮できるのか、今度実際に試してみようと思います。
Pinterest連携で、スムーズにレファレンスから生成
デザインを考えるとき、参考画像をPinterestへ集めている人は多いと思います。
私も例にもれず、プライベートから仕事まで、とにかくいろんな参考画像をピンに保存してるヘビーユーザーです。
LovartはPinterestのアカウントと連携でき、自分のボードをLovartの管理画面に表示できます。

使いたい画像にカーソルを合わせ、「チャットに追加」を押す。これだけで参考画像を制作中の会話へ渡せます。

めっちゃスムーズやんけ。
今回は、写真を巨大な文字の形に切り抜く構成や、紙の質感、少し褪せた色を持つポスターを参考に選び、「DATA WORLDのポスターを生成してほしい」と頼みました。

おっしゃれー!!!映画のポスターやんけ。こういうカードのバリエーションがいくつかあっても、販促物としていいかも(笑)
一つのプロンプトで、写真と巨大な文字を重ねる構成、縦長の比率、レトロな質感が組み直されています。
資料を集める場所と制作する場所が直結して操作できるって、ホントに便利だなー。
Lovartを触って分かった、クリエイティブ制作の広がり
今回いちばん強く感じたのは、Lovartが複数の生成AIを一画面に集めたことより、
一つのアイデアから生まれた案を、関係を保ったまま育てられることでした。
キャンバス上の画像や資料から、次の生成に使いたいものだけを選べます。感覚としては、クリエイティブの文脈を必要なときだけONにするような操作です。採用した案と見送った案を画面上で整理しながら、次の方向を決められます。
ComfyUIのようなノードベースの操作を覚えなくても、画面上の素材を選び、会話しながら制作を進められる。この直感的な操作もLovartの良さだと思います。
Lovartは、独自のクリエイティブ推論基盤としてMCoT Engineを紹介しています。
MCoT Engineは、制作の目的、対象、ブランドの方向を整理し、画像生成AIや動画生成AIへ適した指示を渡す「制作のまとめ役」です。キャンバス上で人が使いたい素材を選び、MCoT Engineがその文脈を次の制作へつなぎます。
だから、商品画像からSNS投稿や動画へ進んでも、毎回ゼロから説明し直す手間が減ります。
この組み合わせによって、商品画像からSNS投稿や動画へ進んでも、毎回ゼロから説明し直す手間が減ります。
ただし、完璧とは言えません。こちらもコンテキストを詰め込みすぎて、渡した絵コンテを動画にした試行では文字と構図が崩れちゃいました。
参考素材を選別して、目的を文章で渡すと結果が改善しました。
新しいチャットやプロジェクトを立ち上げる必要なく、その成功例を集めて次のクリエイティブを作ればいい。
まだ触り始めたばかりですが、かなり使い勝手がよくて感動しています。
商品企画、グラフィック、キャラクター、動画を同じプロジェクトから広げられることがよく分かりました。
次は、今回作った案をどこまで実制作へ持っていけるか。Lovartをもう少し深く触り、クリエイティブ制作を進めてみようと思います。


